コロナ禍の長期化により、困窮・孤立しているひとり親家庭は、生活課題の厳しさが増大する一方で、SOSの声をあげる力が一層弱くなっています。そのため、困り果てているひとり親家庭は、行政や地域から見えづらく、また関係構築も足りないため必要な支援につながりにくく、親子の孤立リスクは一層高まり深刻な状況に置かれています。

この社会課題に対し、「こども宅食えんまる便」は引き続き家庭の食を守りながら関係性を築き孤立を防ぐ、訪問型のこども宅食の取り組みをおこなっていきます。そして、この活動に加え、社会に存在する支援が届きにくい障壁を取り除いた「課題解決型の居場所」づくりの取り組みを長野県立大学こども学科、各専門機関と共同でおこないます。

「課題解決型の居場所づくりの活動詳細」

・周囲の視線や、気持ち的な負担、物理的な制約など、社会に存在する支援が届きにくい障壁を取り除いた居場所づくり。

・当面の対象は訪問型宅食支援でえんまるとつながっているひとり親家庭。周囲の目が気にならないように、一般の方が立ち入らない、学生も休日の長野県立大学構内にて活動をおこなう。

・その場で食材等を受け取るとともに、各相談ブース(医師、専門相談員、心理相談員など)を設けて親が相談~課題解決がシームレス、かつワンストップでおこなえる場に。各個室を用意するなど、プライバシーに配慮。

・就学前のこどもはこども学科の設備が充実した広い保育スペースで無料の保育。えんまる主スタッフが保育士、そして保育士等を目指すこども学科の学生の強みを活かし、単なる託児ではなく、こどもたちが「えんまるの居場所に行きたい」「誰にも言えないけど実はね…」と気持ちを打ち明ける事ができるような居場所設営。

・小学生~高校生のこどもには、県立大学生による学習支援。

・従来の暗く・堅苦しい相談所の雰囲気ではなく、県立大学の学生がかかわっているという、明るく楽しい雰囲気でおこなう。

ひとり親家庭の社会の孤立と困窮状況の悪化を防ぐとともに、課題解決型の居場所にて、各家庭の課題をひとつひとつ解決していきます。困難を抱えているひとり親家庭が社会とつながり、安心して生活ができる各種サポート体制を作り、他の家庭との様々な格差解消を目指します。

※先日第1回目の取り組みをおこないました。その様子も後日、こちらでご報告いたします。