児童養護施設などで育った若者たちは、18歳になると自立を求められます。多くの場合、施設を出た瞬間から生活費を自分でまかなう必要があり、経済的にも精神的にも大きな負担がかかります。実家を頼れない彼らにとって、新たな生活のスタートは決して容易ではなく、家賃や光熱費、食費の負担が重くなる中、収入が安定せず生活が苦しくなることもあります。

進学を希望しても、学費や生活費の負担が大きく、経済的理由で進学を断念せざるを得ない若者もいます。進学できた場合でも、生活費を稼ぐためにアルバイトと学業の両立を強いられ、その結果、学業を続けることが難しくなり、中退することも少なくありません。

また、社会的なつながりが希薄なため、困ったときに頼れる人がいないという課題もあります。例えば、急な病気や職場でのトラブルが起きたとき、身近に相談できる家族がいないため、自力で解決しなければなりません。その結果、不安や悩みを抱え込みやすくなり、孤立感が強まってしまうこともあります。(そのような中で、地域の児童養護施設の自立支援員・担当の先生方は、日々懸命に寄り添いながら支援を続けておられ、その姿には本当に頭が下がります。)

えんまるでは、こうした課題を少しでも軽減するため、昨年に続き、地域の4つの児童養護施設と連携し、今年度退所する12名の若者の新生活の支えになるように、一人暮らしに必要な家電や家具の購入をサポートしています。冷蔵庫、電子レンジ、炊飯器、掃除機、洗濯機などの基本的な家電や布団や収納家具等、ひとりひとり必要なものを提供し、最低限の生活環境を整えることで、安心して新生活を始められるよう支えています。

以下の画像は、実際に購入した家電などの一部です。各施設の担当の先生と退所する本人が、えんまるも関わりながら、必要なものを選び一緒に購入しています。(こちらで全体の約7、8割です。3月にも購入支援を予定しています。)

この電化製品などの購入支援は、えんまるシェの売上利益全額と休眠預金助成金(資金分配団体:中部圏地域創造ファンド様)を活用しています。えんまるシェは、食品ロス削減と社会貢献を目的に、食品企業様から提供された商品を「社会貢献食品」として販売し、その収益をもとに持続可能な支援活動を展開しています。これにより、支援を受けたこども・若者が安心して生活できる環境を整えるとともに、社会全体で助け合える仕組みづくりを築いていきます。

えんまるは、施設で育った若者や、孤立リスクが高く支援につながりにくい、こども・若者やひとり親家庭等が安心して生活できるよう、支援の輪を広げながらサポートを続けています。今回の取り組みも単に家電や家具を届けるだけでなく、「社会のみんなが見守っているよ」「大丈夫だよ」と感じてもらうことを最も大切にしています。引き続き、各専門機関や地域の皆さまと一緒に、頼れるつながりを増やし、困窮や孤立に直面する方々が安心して生活できる環境づくりに取り組んでいきます。

参考記事:「ケアリーバー」の若者が直面する”18歳の壁” 一時は死を意識し自暴自棄に…養護施設で「本当の家族」と夢見つけ進学した女性も (この記事で紹介されている両施設や、自立支援員の鎌倉先生・荒井先生とは、えんまるも密に連携をとりながら支援に取り組んでいます。)